
(14日、明治神宮野球大会1回戦 山梨学院6―3帝京)
打っては高校通算30本塁打超え、投げては最速152キロと投打「二刀流」で注目を集める山梨学院の菰田陽生(はるき)(2年)が、この日は「守」でみせた。
「3番・サード」でスタメンに名を連ねた。普段は、一塁や投手が主戦場。公式戦で三塁を守るのは初めてだった。
大会前に遊撃手がけがで離脱し、正三塁手の藤田蒼海(そう)(2年)が遊撃手へ。代わりに菰田が三塁に入った。
急造だったため、練習は10日間ほど。それでも菰田は「中途半端な気持ちでやるというよりは、一つのチャンスを生かしたい」と前向きだった。
五回、リードを2点に広げられ、なお2死二塁。三塁間への強いゴロに菰田は反応し、グラブを伸ばして飛びついた。身長194センチの体格を生かして好捕すると、一塁でアウトに。ピンチを乗り切った。
ビッグプレーに吉田洸二監督は感嘆する。「僕らの想像力を超えてくる。常に、ですもんね。あのゴロを取るなんて僕は思っていなかった。抜けたって思いました」
新チームで主将になった菰田は「あの場面で抜けていたら、たぶん(得点が)入っていた。そこで抑えられたのはチームとしてよかった」。
言葉通り、ここから流れは山梨学院に傾いた。
七回に菰田の適時打で1点差に詰めると、八回2死満塁から石井陽昇(あさひ)(2年)が走者一掃の二塁打で逆転した。
菰田は、打者として2安打1打点、3番手で登板すると1回3分の1を無失点。「定位置」でもしっかりと役割を果たした。
吉田監督はこれまでも菰田を「怪物」「野球界の宝」などと評してきたが、この日も冗舌だった。
「本音を言いますと、(今後は)投手でいくんですか、打者でいくんですか、とよく質問を受けるけど、私のレベルで彼の将来を決められない。やっぱり彼の可能性を狭めないような指導をするべきじゃないかと、今日は改めて思いました」
トップレベルで活躍の場を広げるために、以前から三塁手のプランも練っていたというが、想定よりも早くお披露目となった。
打って良し、投げて良し、守って良し。「この大会で少しでも成長したい」と菰田。
底知れぬ才能を持つ16歳だ。








